大判例

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最高裁判所大法廷 昭和26(れ)1286 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人広瀬通の上告趣意第一点について。

原判決第二事実に、同年一一月一三日(即ち、第一事実の犯行時と同年の昭和二

二年の意味)とあるのは、昭和二一年一一月一三日の誤記であることが判示事実と

証拠とを対照すれば明らかである。従つて原判決に証拠上の不備があるとする論旨

は理由がない。

同第二点について。

当該判決裁判所の公判廷における被告人の自白が憲法三八条三項刑訴応急措置法

一〇条三項にいわゆる「本人の自白」に含まれないと解すべきことは、屡々当裁判

所の判示するところであつて、右判例と見解を異にする所論は採用できない。(昭

和二三年(れ)第一六八号同年七月二九日言渡、判例集二巻九号一〇一二頁以下、

昭和二三年(れ)第四五四号、同二四年四月六日言渡判例集三巻四号四四五頁以下、

昭和二六年(れ)第一一八五号同年一二月一九日言渡、判例集五巻一三号二五三五

頁以下。)なお、原判決は右被告人の原審公判廷の自白の外、被告人の検察事務官

に対する第二回聴取書中の供述記載(自白)をも証拠としてあげているが、本件に

おいては、既に被告人の公判廷の自白のみを以て犯罪事実が認められ、他に補強証

拠を必要としない場合であるから、所論の被告人の公判廷外の自白を公判廷の自白

を以て補強しうるかどうかの点について特に判断をもちいるまでもなく、論旨は理

由がない。

よつて旧刑訴四四六条に従い主文のとおり判決する。

この判決は、上告趣意第二点につき裁判官沢田竹治郎、同井上登、同栗山茂、同

小谷勝重(以上判例集二巻九号一〇一二頁以下)同谷村唯一郎(判例集五巻一三号

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二五三五頁以下)の少数意見を除き、裁判官全員一致の意見によるものである。

検察官 平出禾関与

昭和二八年二月一八日

最高裁判所大法廷

裁判長裁判官 田 中 耕 太 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 栗 山 茂

裁判官 真 野 毅

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 島 保

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

裁判官長谷川太一郎、同沢田竹治郎は各退官につき、署名押印することができな

い。

裁判長裁判官 田 中 耕 太 郎

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